エマニュエル・アックス
エマニュエル・アックスは、詩的叙情性や高度な演奏技術だけではなく、幅広く意欲的な演奏活動によって世界中から称賛を得ているピアニストである。毎シーズン、世界の一流オーケストラとの協奏曲、リサイタル、室内楽、新作の委嘱と演奏を重ね、ソニー・クラシカルからディスクを続々とリリースしている。

1974年25歳の時、第1回ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールに優勝、注目を集めた。5年後にはニューヨーク・エイヴリー・フィッシャー賞を受賞。1987年にソニー・クラシカルと専属契約を結び、第1弾として『ショパン:スケルツォ/マズルカ』をリリース。近年のリリースには、イェフィム・ブロンフマンとの共演でブラームス2台ピアノの為の作品集、ピリオド楽器エラールを使用した『ショパン: ピアノと管弦楽のための作品全曲』(2枚組)と『ブラームス: ピアノ協奏曲第2番』(ハイティンク指揮ボストン交響楽団と共演)がある。その他、グラミー賞を受賞した『ハイドン:ピアノ・ソナタ集』、『リスト: ピアノ協奏曲集/シェーンベルク: ピアノ協奏曲』、3枚の『ブラームス: 作品集』、『アストル・ピアソラ:タンゴ』、ノンサッチ・レーベルから『ジョン・アダムズ: 協奏曲《Century Rolls》』(クリーヴランド管弦楽団と共演)もリリースされている。

チェリスト、ヨーヨー・マ と共演を重ねており 、一連のレコーディングでは、ベートーヴェンやブラームスのソナタなどが3つのグラミー賞に輝いている。この2人にリチャード・ストルツマンが加わったブラームス・クラリネット三重奏曲のアルバムもグラミー賞を受賞している。

2003/4シーズンにはニューヨーク・カーネギーホールにおけるコンサートシリーズ《パースペクティブス》に出演、2005/6シーズンにはベルリンフィルハーモニー管弦楽団《ピアニスト イン レジデンス》としてベルリン及びニューヨークにてサイモン・ラトル指揮、同管弦楽団と共演、同楽団メンバーと4つの室内楽コンサートにも出演した。また、モーツアルト・ピアノ協奏曲に合わせてダンサーが舞うという音楽をヴィジュアライズした新しい試み、マーク・モリス・ダンスグループとのコラボレーションをニューヨーク、ウィーン、ロンドンにて展開、好評を博す。

今シーズンは、生誕200周年を迎えたシューマンとショパンの室内楽作品を中心としたソロリサイタル、ヨーヨー・マとの共演、ソプラノ歌手ドーン・アップショウとの共演を世界初演作品も加え、ロンドン・ バービカンセンター、アムステルダムのコンセルトヘボウホール、ニューヨーク・カーネギーホール、サンフランシスコ・ディビスシンフォニーホール及びロスアンジェルス・ウォルトディズニーホールにて開催中である。また、オーケストラのソリストとしての活動は、ニューヨークフィルの3週間に及ぶアジアツアーに同行、及びヨーロッパ室内管弦楽団とのショパン作品の共演でパリ、アムステルダム、ルツェルンにて、他にザルツブルグ、ドレスデン、ベルリン、プラハ、リスボン、フランクフルト、ウィーンでの公演に出演が予定されている。ドイツ、ポーランド、スペイン、ポルトガル、イギリスでのリサイタルも決定している。

1949年、ポーランドのリボフ生まれ。6歳でピアノを始める。少年期に家族とともにカナダを経て米国に移住し、ジュリアード音楽院で学ぶ。同学院進学にあたり、アメリカ・ボーイズ・クラブのエプスタイン奨学金の大きな支援を得ており、ヤング・コンサート・アーティスト賞も受賞している。ミエチスラフ・ムンツ教授に師事。また、コロンビア大学にてフランス語を修めている。2007年イェール大学より、2008年にはコロンビア大学よりそれぞれ名誉博士号が授与された。

夫人のピアニスト野崎洋子氏と2人の子供たち(ジョゼフとサラ)と共にニューヨーク在住。

若尾圭介(オーボエ)
1990年よりボストン交響楽団準首席奏者及びボストンポップスオーケストラ首席奏者。ニューイングランド音楽院及びロンジー音楽院で教鞭をとる。マンハッタン音楽院にてジョゼフ・ロビンソン氏に師事、同音楽院卒業後の1987年、マイケル・ティルソン・トーマス率いるニューワールド交響楽団に初代オーボエ奏者として入団。日本での活動としては88年より“若尾オーボエキャンプ”を毎年行っている。98年クリストフ・エッシェンバッハ氏と共演のデビューCD「カンツォネッタ」をはじめとし、CDのリリースも多数。近年では代官山ヒルサイドテラス音楽祭音楽監督、ボストン郊外リディーマー教会コンサートシリーズのプロデュースなどソリスト以外にも様々な活動を展開している。本公演「日本アメリカ交流コンサート」は自らもスポンサーとなり、発案、企画から開催までの全てを担う。

山本正治(クラリネット)
1972年日本音楽コンクール第1位。東京芸術大学で安宅賞を受賞、卒業後、北西ドイツ・デトモルト音楽アカデミーでヨスト・ミハエルスに師事。75年ライン・ドイツオペラ・オーケストラの首席奏者となる。76年フランス・コルマール国際室内楽コンクール第2位入賞。78年ドイツ国家ソリスト試験を最優秀の成績で修了。80年デュッセルドルフ市より"カンマームジカー"の称号を受けた。83年、活動拠点を日本へ移す。木曽音楽祭、倉敷音楽祭、宮崎音楽祭に出演するなどソリスト、室内楽の分野でも幅広く活躍。1990年〜2007年新日本フィル客演首席奏者。1999年〜2007年武蔵野音楽大学教授。現在、木曽音楽祭ディレクターを務めている。2007年東京藝術大学准教授、2010年4月同大学教授に就任。

リチャード・ランティ(バスーン)
1989年よりボストン交響楽団副首席奏者及びボストン・ポップス首席奏者。
モントリオール出身。10歳からファゴットを始め、S.ローゼンバーグ、D.キャロルに師事。インターローケン・アーツ・アカデミー卒業後、カーティス音楽院でS.ショーエンバックに師事。19歳でフィラデルフィア管弦楽団入団、6年間在籍し副首席となる。タングルウッド音楽センター、スポレト音楽祭、マルボロ音楽祭等に出演。1982年ツーロン国際コンクール第2位受賞。同時に2つのカナダ・カウンシル賞を受けている。

リチャード・シーブリング(ホルン)
1982年よりボストン交響楽団凖首席奏者及びボストンポップスオーケストラ首席奏者。マサチューセッツ州コンコルド出身。インディアナ大学、ニューイングランド音楽院、ワシントン大学、またタングルウッド音楽センターにて学ぶ。ロチェスター交響楽団首席奏者を経て1981年、第3ホルン奏者としてボストン交響楽団入団。ボストン響及びボストンポップス公演、タングルウッド音楽祭にてソリストとして出演。スタジオ・ミュージシャンとしてもポピュラー音楽、PBS,映画などで活躍しており、ジョン・ウィリアムス作曲プロデュースによる映画「プライベート・ライオン」サウンドトラックにも起用された。
ニューイングランド音楽院、タングルウッド音楽センターにて後進の指導に当たる。

アレクサンダー・ヴェリンゾン(ヴァイオリン)
2000年ボストン交響楽団入団。2005年、同交響楽団アシスタント・コンサートマスターに就任。
ロシア・サンクト・ペテルブルグ出身。6歳よりヴァイオリンを始めレニングラード音楽院で学ぶ。その後アメリカに渡り、マンハッタン音楽院を経てジュリアード音楽院にて修士号取得。ソリストとしてオーケストラとの共演も多い。
ヘイダー・ハーマン国際コンクールやスイスで行われたティボール・ヴァルガ国際コンサールでの受賞経験を持つ。1996年ヤング・コンサート・アーティスツ・インターナショナル・オーディションに優勝、ニューヨークでのデビューリサイタルをカーネギーホール内ヴェイルリサイタルホールで開催した。

ユンコン・ツァン(ヴァイオリン)
中国吉林省長春出身。音楽一家に生れ、10歳で北京にある中国中央音楽学院に入学。2003年渡米後まもなくカーネギーホール、ケネディセンターなどでの出演を果たし優れたヴァイオリニストとして評価される。マンハッタン音楽院にてグレン・ディクテロウ、リサ・キムに師事。2004年キングスヴィル国際コンクール、2005年チューズデイ音楽コンクール、2006年カメラータコンチェルトコンクール入賞。初代エコイ現代音楽アンサンブルメンバーとしてカーネギーホールでデビューコンサートを開催。これまでアスペン音楽祭、タオス音楽院、パシフィックミュージックフェスティバル、ウェスト音楽アカデミーに参加している。2009年、ボストン交響楽団入団。

レベッカ・ギター(ヴィオラ)
カナダ出身。7歳でスズキメソードによるヴァイオリンを始め、13歳でヴィオラに転向。トロント、オンタリオで学び、クリーヴランド音楽院にてロバート・ヴァーノンに師事、2001年卒業。在学中、同学院よりヴィオラ賞及びロバート・ヴァーノン賞を受け、コンチェルト・コンペティションに2回優勝。他に2000年、トロントにてベン・スタインバーグ・ジューイッシュ・ミュージック・レガシー賞を受賞している。デトロイト交響楽団を経て2001年ボストン交響楽団入団。これまでにタオス音楽院、マルボロ音楽祭、ラヴィニア音楽祭スターンズ・インステチュート、ナショナルアカデミー、カナダ・ナショナルユースオーケストラに参加した。

ミハイル・ジョージャートゥ(チェロ)
ルーマニア出身。2001年、ボストン交響楽団入団。ブカレスト音楽院で学んだ後、ボストン音楽院にて元ボストン響チェロ奏者ロナルド・フェルドマンに師事。ボストン大学ではボストン響首席チェロ奏者ジュールス・エスキンに師事。ボストン大学芸術学部コンチェルトコンペティション優勝、ボストン音楽院アリアコンチェルトコンペティション第1位、タングルウッド音楽祭ではカール・ザイス記念賞を授与される。ロンジー音楽院にて教鞭をとる。また、トリップティック弦楽三重奏団メンバーとしても活躍している。

エドウィン・バーカー(コントラバス)
1976年、最優秀の成績でニューイングランド音楽院を卒業。ヘンリー・ポルトノイに師事。シカゴ交響楽団を経て、22歳でボストン交響楽団首席コントラバス奏者として入団。全米において最も優れたコントラバス奏者の一人としてその名を知られるようになる。ボストン交響楽団、ボストン・チャンバー・プレイヤーズ、ボストン現代音楽アンサンブルなどと共演、その録音も多数ある。ボストン大学芸術学部准教授、メリーランド大学ナショナルオーケストラインスティテュート、タングルウッド音楽祭音楽センターでは器学・オーケストラ学の学部長を務めるなど後進の指導にも精力的に当たっている。

エドモンド・アーカス(ピアノ)
リサイタル、オーケストラとの共演、室内楽奏者として全米、日本、イギリスにおいて高い評価を得る。特にこの10年間はボストン響オーボエ奏者、若尾圭介とボストン近郊、タングルウッド音楽祭、日本などで共演を重ねている。他に、パリ管弦楽団、NHK交響楽団、ボストン響、ベルリンフィルなどのメンバーと室内楽の共演も多い。最近の活動としては2008年夏、岐阜県大垣市及び東京においてソロリサイタルを開催、また大垣市室内管弦楽団とベートーヴェン・ピアノ協奏曲第一番を共演した。